第一回 翔嶺WING 開催!
6月の16日、土曜日。
翔嶺スクールで初めての試みであるアクティブラーニング型の5・6年生合同授業が行われました。
企画当初は8人も集まればいいかな、などと考えていました。
しかし、いざ始まれば二学年を合わせて18人!すごい!多い!
初回の題は「泣いた赤鬼」です。
人間と仲良くなりたい赤鬼と不信の人々。
その状況を打開すべく赤鬼の友、青鬼が一計を案じます。
青鬼が人里で大暴れし、赤鬼がそれを止めることで人々に赤鬼が心の優しい鬼であると知ってもらおうというのですね。
計画はうまくことを運び、赤鬼は多くの人間と友達になります。
しかし自分がそばにいると赤鬼まで疑われるかもしれないから、と青鬼はその地を去ってしまいました。
それを知った赤鬼は戸の閉ざされた青鬼の家の前で声をあげて泣いたのでした。
さて、ここからが本題です。
あなたは『人間の友達は得るが青鬼がいなくなってしまうこと』と『青鬼はそばにいるが人間の友達は得られないこと』のどちらが赤鬼にとって良いことだと思いますか。
もちろんその理由もしっかり教えてくださいね。
・・・これが今回のWINGでみんなに考えてもらった問いかけです。
みんなとっても真剣に考えてくれました。
おしゃべりをする子も、集中を欠く子もいませんでした。
それぞれがそれぞれなりに自分の意見とその理由を書いてくれました。
では次へ。
立場が同じ人同士「5年生も6年生も男の子も女の子も」ごちゃまぜで意見交換をしてもらいました。
普段は接点がない人をあえて同じグループにしています。
おしゃべりな子が静かだったり、おとなしい子が真っ先に意見を述べていたり。
普段とは違う一面がみられてとてもよかったです。
特に五年生の諸君、六年生に臆すことなく前に出ていく姿が非常にかっこよかったぞ。
みんなの意見が深まってきたところで立場を越えての意見交換です。
両立場を選んだその理由を伝え合います。
今回はほとんどの生徒が「青鬼がそばにいたほうがいい」と主張しています。
では挙げられた意見をいくつかご紹介しましょう。
まずは「青鬼がそばにいたほうがいい派」から。
・青鬼の親切で人間と仲良くなっても、青鬼を失った心の傷があることで人間と楽しめなくなると思うから
・鬼同士の友達がいたほうがいいと思うから
・赤鬼にとって青鬼は長い付き合いのある友達だから
・人間ははじめ赤鬼を疑っていたから
・赤鬼のために自分を犠牲にしてくれるような青鬼を失ってしまうのは惜しいから
・青鬼から見れば鬼も人間も友達がいない状態になってしまうから
などなどです。
いいですね、このあと子どもたちと相談しながら各案の説得力度を考えていきました。
その意見にどれくらい「なるほど」と思えたか、ということですね。
こちら側の意見はほとんどが「説得力:中」に。
心の傷が残るという意見は多くの人の支持を集めていました。
赤鬼にとって良いか、を聞いていましたがそれでも青鬼のことに言及している意見もなかなかに鋭いです。
対して「人間の友達を得たほうがいいと思う派」の言い分はこうです。
・そもそも赤鬼は人間の友達がほしいと願っていたから
・人間が友達になれば友達の数が増えてくれるから
・もし青鬼がそばにいられなくなったとき赤鬼は独りになるから
・人間と友達になれば今後狙われなくなるから
などなど。
こちらも先ほどと同じように説得力を考えていくのですが、なんとほとんどが「説得力:大」という結果に。
友達の絶対数と独りになることを心配する意見は親和性がありますね。
結局のところどちらの立場でも「独りになってはいけない」と子どもたちは考えてくれたようです。
(写真は子どもたちが自分の意見をプリントにまとめてくれているところ)
最後に再び自分の立場と意見をプリントにまとめて全行程が終了。
最初の意見から考えを変えたという子もちらほらと。
自分の意見は大切にしつつ、他者の意見もちゃんと受け止めて自分に反映させてほしいというWINGの目的が果たされた瞬間です。
書いてもらったプリントには他の人の意見が自分には思いつかないものでとてもよかったと思う、なんて感想がたくさん並びました。
後日、親御さんに話を伺う機会がありました。
晩御飯の時に「お母さんならどう思う?」なんて質問を子どもがして、あれこれ言いながらの食事になったとのことでした。
子どもたちに「次やるならまた来てくれる?」とおそるおそる聞いてみれば、またいく!と言ってくれるのでまたやりますよ!
みんなの第二回の翔嶺WINGへの参加を待っています!
書き省くところが見つからず長い文章となりましたが、これをもって第一回翔嶺WINGを終えたいと思います。
今回の反省点や改善点を踏まえての二回目もこちらに書き残す予定です!
なお、第二回は7月20日(金)の予定となっております。
詳細が知りたい方はご遠慮なく塾のほうへ連絡していただければお伝えできることお話しできると思います!
ちなみに現在、担当二人頭を突き合わせてお題考え中!