5月21日 「小満」の頃合いより
日本の四季を細かくそれぞれの自然の出来事になぞらえてとらえている「七十二候」という旧暦の考え方があります。
今日はその中の「小満」が始まる日です。
学校の先生などをやっている方には一定数この手の話が好きな方がおられますね。
はい、例にもれず私もその一人です。
「小満」はもう夏の季節。
「秋にまいた麦の穂が少しずつ満ちてきた」ということをあらわしているそうです。
一年をかけて作物を育てている農家さんからすれば、ひとまず安心できる頃合いなのかもしれません。
ほんとうにこの時期は草々の成長が早いことはやいこと。
昨日見かけた草の葉が今日は大きく手を振っていたりします。
成長するというのはあっという間のことなのですね。
私にはそんな草花の姿と人の姿が重なって見えるような気がします。
なにかと急ぎがちな今の時代に生きているわたしたち。
子どももおとなも「すぐ」変わることを望んでいることが多いような。
けれども人間は長い年月をかけて成長している生き物です。
君たちの努力は「今」を変えている。
でも身長が毎日伸びているのに、気づくのはある程度伸びてからだろう?
子どもたちにはそんなたとえ話をする時があります。
身体が育つのも心が育つのも、成績が伸びるのも。
一緒になって枝葉を伸ばしながら昨日より今日、今日より明日。
それぞれがそれぞれらしく。
「ちゃんと大きくなってるじゃない」と声をかけて話を聞いて。
いつかきっと、実りが満ちて豊かさとなりますように。
そう思いながら、今日も子どもたちに何を話そうか考えています。
気温が上がってきて日の光も強くなってきたので。
飲み物はしっかりと持ってきてくださいね。
人も草も生きてる限り、水を飲まないと大きくなれないのですから。
(渓)